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旧キット1/220 ゼータガンダムを改造・イラスト風塗装で制作!

2020年2月20日

こんにちは。

すっかり前回から日にちが経ってしまいましたが、
旧1/220 Zガンダム完成しました!

もうお見せしてしまいますが、コチラです。

では前回からどのようなプロセスを経て
この完成品まで至ったかをお見せしていきましょう。

1.前回のおさらい

前回は素組の紹介をしました。
コレですね…。

大きさは大体10cm弱
食玩のGフレームよりも若干小さいくらいです。
お値段300円

関節がほぼ動きません。
一応動くといえば動くんですが、ほぼ誤差の範囲。
肩と上腕、スネと足首が一体化しています。
そのせいで棒立ちに…。

可動範囲

このキットを冒頭の完成品のようにカッコ良く仕上げていきます!

2.改造

2-1.改造のポイント確認

まずやっぱりこの棒立ちを何とかしたいですね。
脚をハの字に開かせてしっかり接地させる、ってのを意識するだけでも
かなり変わると思います。

 

あと顔もちょっと手を入れたいですね。

 

腕のロール軸も入れたらライフルの持たせ方も自然になりそう。

 

腹がちょっと浮いてるんですよ。短いから少し伸ばそうと思います。

 

フライングアーマーの肉抜きも埋めたい所ですね。

2-2.顔の改造

早速改造に入ります。
ここは前回既にやったんですが再度ご説明。

この顔からマスクを分割します。
分割にはエッチングソーを使います。

エッチングソーは重ねて端だけ接着したプラ板を
持ち手として使うと便利です。

なぜマスクを分割するかといいますと
旧キットのガンダム系ってマスクの位置を奥にずらしてやるだけで
印象がかなり変わるんですよ。

マスクの位置を固定するために、頭の中に木部用エポキシパテをつめます。
木部用は混ぜて20分かそこらで固まるので作業性高いですね。
邪魔になるはめ込みのダボ穴もカットします。

で、マスクをちょっと奥側にずらしてやりました。

どうでしょう?これだけで素組よりかなり印象変わったと思いませんか?
たったこれだけで小顔に見せられるっていうテクニックでした。

首もエポパテで作ってから胴体に乗っけてみました。

頭が出来ればもう半分終わったようなもんですね。
この先のモチベーションが全然違います。

2-3.胴体の改造

次はこの腰のフンドシアーマー(正式名称がわかりません…)。
これを切り出して分割します。

分割した部分は穴が開くのでプラ板で埋めます。
腹自体も短いのでこれも延長します。

関節は金属線接続にするんですが
後で下に穴を開けて金属線で足をつなげるので
金属線の保持力を高めるためにプラ板を重ねています。

こんなイメージなんですけど、
プラ板一枚より、二枚重ねの方が金属線の保持力が高いんです。

厚みを増せばその分保持力は上がります。

腹のコクピット部分が短いのでプラ板で1mmほど延長します。
接着したプラ板が乾燥したら、ニッパーで
余分な所を切り出してから整えます。

股関節ブロックがないので、プラ棒を切り出して
長さを調整して作ります。

厚みがもうちょい欲しいかなと思ったので
プラ板を切り出してさらに2mm厚みを増やしました。

で、最後にフンドシを再接着。

2-4.脚の改造

2-4-1.スネと足首の分割

脚はちょっとやる事多いので項目を細分化しました。

スネと足首が一体化してるんですよ。
これは棒立ちの原因でイカンのでノコで分割します。

スネと足首に分けると足首に角度がつけられるようになります。
このブルタックってゴム粘土(練り消しみたいなものです)を使って
仮止めします。

足首を分割して仮止めするとこうなりました。

ちょっとずつ素組から変わってきましたよ。

2-4-2.足首の幅詰め

ただまだちょっと足首が太いかな?と思うので、分割面で幅詰めします。
でもデザイン的に、そのまま幅詰めすると

このカカトのブロックが消えてしまうので

あらかじめここだけ切り取っておきます。

幅詰めは金属ノギスで幅詰めする分に目盛りを合わせて
周囲にキズをつけていきます。

今回は片方0.5mm、もう片方は1mm縮める事にしました。
これを合わせれば1.5mm幅詰めする事になりますね。

つけたキズにスミ入れ塗料を流し込むと
キズを見やすくする事ができます。

0.5mm縮める方は粗目のサンドペーパーでガリガリ削ります。

もう片方の1mm縮める方は、
まず幅詰めラインよりちょい短めにニッパーでカットして、

残りをサンドペーパーで幅詰めラインまでこれもガリガリ削ります。

幅詰めしたパーツ同士を合わせてから、
さっき幅詰め前に切り出しておいたカカトのブロックを取り付けて
これが足首の幅詰めになります。

左側の足首と比べて、若干短くなってるのがわかりますかね?
まだちょっと分割面が汚いから後で調整します。
これをもう片方の足首にも行います。

2-4-3.足首の形状出し

足首の中がスカスカなので、さっきの木部用エポパテを使って埋めます。
硬化したら、足首の形状出しをします。

HGのゼータの足首を参考にして似たような形状に整えます。

2-4-4.後ハメ加工

次はヒザ関節ですね。これは丸をCの字に切り欠く
後ハメ加工で十分でしょう。

ノコ・ニッパー・ナイフで切り取ります。

これで太ももがスネから抜き差し出来るようになりました。

元から開いてた股関節の軸穴は使わないので
同じ股関節軸を切り取って埋めます。

2-4-5.関節用のレジン棒

スネから足首への金属線接続用に、このレジンの棒。
複製した時の湯流れでできたやつがめちゃくちゃ大量にあるので
これを使います。

まあプラ棒でもいいんですけど。

このレジンの棒は足首を金属線接続するための
関節にするんです。

レジンの棒を仕込むのに、そのまま瞬間接着剤つけるだけだと
根元が不安定ですぐ取れちゃいますよね。

なので、プラやレジンの粉を使って土台を作ってやるんです。
(このように作業時に出た粉を捨てずにしっかりとっといてます)

そこを瞬間接着剤で固めるとがっちり固定出来る、という訳です。

これは何年か前にモデグラ誌で岡プロさんが
瞬着粉パテというテクニックで使ってたので参考にさせて頂いてます。
土台はエポパテでもいいんですけど、固まるのに時間かかるから
スムーズに作業進めるならこれですね。

2-4-6.金属線接続

さて、ではいよいよ関節用の穴を開けていきます。

この1/220ゼータって、腰のアーマーが胴体じゃなく
太ももについてる作りなんです。
接続方式はそれに合わせようかなと。

金属線でつなぐので、余分なピンはカットします。

太もも中にエポパテをギッチギチに詰めて、このように
太ももから胴体に繋げる線、

フロントアーマーを太ももに繋ぐ線、

サイドアーマーを太ももに繋ぐ線と

3か所から金属線が挿せるようにします。集中攻撃です。

0.8mmの穴を開けてから、0.9mmの真鍮線を通す事にします。
0.9mmの同じ径の穴だと、通す時ちょっとゆるめになっちゃうので
0.8mmにしました。
今回はキットが小さいのでこのサイズでも十分でしょう。

内部構造はこのように

下から順に、足首-スネ、

太もも・胴体と繋げると、

こうなりました。いいですね!

この工作を右脚にも同様に行います。

2-5.腕の改造

腕は肩と上腕が一体化してるせいで上腕を回転させる事ができません。
なのでノコで分割します。

上腕の中には関節用のプラ棒、
肩の中には関節用のプラ板を仕込みます。

拳の裏に肉抜きがあるので、プラ棒を使って埋めます。

手首はこのような関節構造になっていますが
(〇はボールジョイントではなく丸軸)

元の関節はカットして、

このように接続する事にします。

ヒジはヒザ関節同様に
Cの字に切り欠いて後ハメ加工。

各ブロックに穴を開けて、

このように真鍮線で接続します。

そして接続するとこうなりました!

左手は穴あきグーパンなので、この穴をプラ棒で埋めます。

後は右腕と同様の工作を行います。

 

ここで出ましたパーマネントマットバーニッシュ

これはアクリル絵具のニスなんですけど、
関節の渋みの調整にも使えたりします。
後ハメ加工のためにCの字に切り欠いたヒジとヒザは

可動が結構ゆるくなってしまうので
これをつかってキツめに調整します。

胴体の中に頭と腕接続用のプラ棒を仕込みます。
全身の内部はこのように
プラ材・レジン・エポパテのブロックが入っています。

首の下や肩の接続部にも穴を開けて真鍮線を通します。
全身接続は内部の関節がこのようなイメージですね。

前に、
「いや針金関節なんてすぐに金属疲労で千切れるでしょ」
って意見をもらったんですが、全然そんな事はないですね。

意図的にぐりぐりぐりぐり動かしまくって
わざと千切った事はありますけど
基本的に固定ポーズでポーズ調整した後は動かさないので
事故っぽく千切れたって事は一度もないですね。

全身接続はもう少し先のお楽しみにしましょう。

2-6.フライングアーマーの改造

このフライングアーマーの盛大な肉抜き
プラ板を貼り付けて埋めます。

邪魔になる接続ピンはカットします。

肉抜き部分にテープを貼ってから、
肉抜きのラインに沿ってペンで描き込んでいき
テープをプラ板に貼って切り出します。

僕がこれやると必ずピッタリにハマらないんですよ。
もう精度は捨てて、スキマはプラ板と瞬着で埋めればいいやと
大雑把にやってますね。

スキマはプラの廃材を適当に詰め込んで接着します。
細かいスキマはこのシアノンDWで埋めます。

スプレープライマーで硬化させて

ペンサンダー180番で硬化させたシアノンをガッシガシと削ります。

最終的に平らになりさえすればいいので
プラ板が精度ぴったりじゃなくても全然いけますね!

接続ピンを切り飛ばしちゃったから、
接続部分のブロックをプラ棒を切り出して作り
また真鍮線で接続します。

さあ全身の接続です!
どうでしょう!素組から見違えたと思いませんか?

このビフォーアフターが旧キット改造の醍醐味なんですよ!

3.合わせ目消し

全身の各部位をブロック単位で作ったので、
そのブロックごとに合わせ目を消していきます。

旧キットは合わせ目の貼り合わせ部分がでこぼこしてたりするんで
まずひとヤスリしてやります。

流し込みのプラ用接着剤を塗って接着。
ライフルみたいな接着面積の広いパーツは
流し込みだと塗ってるそばから
どんどん乾いちゃうので何度も塗ります。

パーツを貼り合わせてからシアノンDWを合わせ目に塗っていきます。

下はプラ用接着剤で固めてあるんで強度もバッチリです。

フライングアーマーの肉抜きのスキマ埋め同様
スプレープライマーでシアノンを硬化させ
180番で合わせ目のシアノンをガッシガシ削ります。

旧キットは合わせ目しかないので全部消すのは結構大変ですが、
ペンサンダーなら楽勝です。

合わせ目を消すとヤスリの粉が出るんで、
この改造歯ブラシ

歯ブラシの先端を切り落として、ハンドピースのクラウンと
同径の穴を開けたものです。
これを先端に取り付けて、エアーを出しながらブラシで粉を払っていきます。
(twitterでお役立ちtips的な発信されてる方がいたので
使わせて頂いています。感謝!)

4.下地塗装

全パーツを掃除した後はこのファレホのプライマー

水性のサーフェイサーみたいなものですね。
白に黒を数滴足してやれば
サーフェイサーっぽいグレーにする事ができます。

これを下地用に吹いていきます。
これ結構塗料がっちり食いつくんですよ。

全部のパーツにプライマーを吹いたら
次はアーマー裏に水性アクリルの黒を塗ります。
影になってほとんど見えなくなる所は
こうすると見栄えが良くなるんです。

では再度組み立てていきましょう。
このようにグレーのゼータになりました。

5.塗装

5-1.下準備

では塗っていくんですけど、参考資料として今回は
この1/100の石橋謙一さんのボックスアートを見ながら
こんなイメージで塗っていきたいと思います。

塗装に使うのはアクリルガッシュ!アクリル絵の具の一種ですね。
塗装というより絵を塗るような感じで塗っていきます。

絵具を乗せるパレットも作ります。

ヨーグルトのフタ(タッパーとか入れ物なら何でもいいです)
を使って、

上にキッチンペーパーを
フタに収まるように折りたたんで水を含ませます。

その上からさらにトレーシングペーパーを
収まるように切り出して、上に乗せて
ウェットパレットの出来上がり。

アクリルガッシュって乾燥が早くて
チューブから出してすぐ乾いちゃうんですが
このウェットパレットの上ならフタをすれば
2・3日は持ったりしますね。

5-2.ベース色塗装

まずは基本色だけ先に平筆で塗っちゃいます。
ベース部分ハッキリさせないとなんだかモチベーションも上がんないですし。

後でさらに塗り足すのでとりあえず色を置いてるだけです。

5-3.ぼかし塗装

出ました中華100本面相筆

この中から1本犠牲になってもらいます。
面相筆の筆先をハサミでカット!

なんでこうしたかって言いますと、今作った筆は
色のぼかしに使えるんですよ。

まず1色目を塗ってから、乾かないうちに2色目を塗って
乾く前に境目をさっきの先端カットした筆で
オラオラオラオラッと叩いていきます。
そうすると、境目がぼやけてるのがわかりますかね?

フロントアーマーに注目してもらいたいのですが

まずここに1色目を塗ってから

乾く前に2色目を塗って、すぐに境目をオラオラっと叩くと

このようにぼかし表現が作れるんです。

ぼかし筆はボロくなった筆を再利用で全然オッケーです。

こういうスロードライブレンディングメディウムっていう(名前が長い!)
いわゆるリターダー、乾燥遅延剤ですね。

これを少し絵具に混ぜてやると、乾燥が遅くなって
ぼかしがやりやすくなります。

このぼかしをつかって全体的に塗り重ねていきます。

絵を見たらベースの色と影がハッキリわかれてますね。

白の影色が青っぽいので、同じく青系で塗ってやります。
どちらもぼかしを交えながら。

青は結構白のハイライトが目立ちますね。
これも青と白をぼかしで表現してやると
ちょっと水色っぽくなりました。

ぼかした所は大体中間色になるので
極端に違う色同士でも割となじんだりしますね。

これを赤・黒部分にも行っていきます。

次はハイライトをメインに入れていきましょう。
ここからもう少し雰囲気変わりますよ。

5-4.ハイライト塗装

これはカラス口という道具なんですが。

模型製作で使ってる人は少ないと思いますけど
これを使うと塗料で直線が引けるんですよ。
万年筆などに近いペンなんです。

先端に塗料を含ませて、エッジに沿って
カラス口をなぞらせると
このようにエッジにハイライト色を乗せられます。

だんだん雰囲気変わってきましたでしょ?

同様に赤部分(つま先や羽)にはピンクの、
黒部分(シールド・フライングアーマー・ライフル)にはグレーの
ハイライト線を入れてやります。

ちょっと発見したんですけど、このマンガ用のつけペン

ファレホをインク代わりにしてつけペンで描けるんです。
ジャンクパーツで試し書き。

シタデルでも出来るようですが
水性ホビーカラーで試してみたらかすれてダメっぽかったですね。
塗料によって相性があると思います。

それでも塗料をペンで描けるってのは
塗装の可能性が広がるんじゃないでしょうか?

スミ入れ代わりに顔の線とかに使ってみました。

ダメ押しのハイライトに白を面相筆でちまちま塗ったり
前と後ろのセンサーや目を塗ったり。

関節のゆるい所は瞬間接着剤で接着してしまいました。

5-5.トップコート

ダンボールにガムテープを貼り付けてから本体を立たせて
水性つや消しプレミアムトップコート

これをさっと吹いて乾燥したら…
完成です!

6.完成

6-1.完成写真

6-2.素組との比較

サムネでネタバレしてますが、この通り変化しました。

6-3.完成動画

ぐるっと回転させてみました。

 

また、今回の制作内容をYouTubeにて公開しています。
(内容はほぼ一緒)

旧キット1/220ゼータガンダムを改造して作ろう【前編】

 

旧キット1/220ゼータガンダムをイラスト風塗装で作ろう【後編】

 

さらに、今回裏で活躍していたペンサンダーの記事もあります。
興味がありましたら合わせてご覧ください。

手作業のヤスリがけでつらい思いをしているあなたに!電動ヤスリがけツール ペンサンダー

長丁場でしたが、ここまで読んでくださってありがとうございました!

それでは!

 

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