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目がおかしくなる!尋常じゃない黒さの水性アクリル黒塗料『黒色無双』レビュー&検証

こんにちは。

まず、これを見て頂きたいのですが。

黒背景プチッガイ

プチッガイが半分しか見えていませんね。どういう事でしょう?

 

これを黒背景から白背景にしますと。
白背景プチッガイ

こうなります。
そうです。黒く塗装していたのです。
ご覧ください、この黒さ!

黒背景時は全く見えてませんでしたね。
今回はこの凄まじい黒さを誇る塗料『黒色無双』をご紹介していきましょう。

 

1.『黒色無双』概要

黒色無双外観

こちらの黒色無双は光陽オリエントジャパンさんの新製品、
水性アクリル塗料になります。

公式ページはこちら

容量は100mlで2,500円。

一見塗料にしては高いかな?と思うかもしれませんが、同じ水性アクリルでも
クレオスの水性ホビーカラーが10mlで180円な事を考えると、
黒色無双は10ml辺り250円となるので
そこまで高くはないんじゃないかなと思います。

 

容器はビンではなくプラ製のボトルです。

Amazonで販売していますが、ひっそりと入荷して数時間で完売するので
現在なかなか買えないレアアイテムとなっています。

…が、公式twitterによると近日大量入荷するとの事で
今後は品薄状態も解消されるかもしれませんね。

 

2.塗装

塗装ですが、エアブラシ・筆塗りどちらにも対応しています。

2-1.エアブラシ塗装

公式によると、エアブラシで吹く際は水で希釈出来ます。
希釈加減は黒色無双原液1に対して0.3~0.5程度にして
濃いめに、厚吹きせず薄く何度も吹いてください、との事です。

ハンドピースのノズルが0.5mm径なら吹きやすいですね。公式でも推奨しています。
一般の0.3mm程度なら結構詰まりやすいです。

吹いて乾燥するとこうなります。

この見事なまでの黒さ!カメラ越しだと穴を持ってるみたいで
目がおかしくなりそうですね。

それと、若干ですが一般の水性アクリルよりも乾燥は遅めです。

2-2.筆塗り

筆塗りにも対応しています。
筆塗りの場合は薄めずそのまま塗る事ができる濃度になっています。
一回塗りでこの黒さですよ!

 

筆塗り、エアブラシどちらも遜色ありませんでしょ。

 

2-3.アクションベースに塗ると

公式の紹介画像でもありましたが、ガンプラの
アクションベースに塗るとこうなります。

黒塗装アクションベース白背景

これを黒背景に持っていくと…

黒塗装アクションベース黒背景

アクションベースが全然見えません!
黒背景と組み合わせれば宙に浮いているような写真も撮れます。
これは模型撮影の幅が広がりそうですね!

 

3.検証

ここまではどんな塗料かのご紹介でした。
次からは性能の検証を行っていきましょう。

3-1.他の塗料の黒と比較

比較する塗料はこちらです。

他の黒塗料と比較
左から
・タミヤアクリル フラットブラック
・アクリルガッシュ ジェットブラック
・ファレホ ブラック
・シタデルカラー アバドンブラック
・黒色無双

 

一通り塗ってみました。

他の黒塗料を塗った場合
黒さは黒色無双がダントツですね。
アクリルガッシュもなかなか黒いです。シタデルは半つやっぽいですね。

 

3-2.塗装剥げ対策実験

黒色無双、実は塗膜がめちゃくちゃ弱くてすぐ色剥げするんです。
ちょっとツメを当ててみたら、ご覧の通りです。

エッジなんか気づいたら色落ちしてます。
塗る前にヤスリで下地を荒らして定着を良くしてもこれです。

 

3-2-1.サーフェイサーを吹いた上から

それじゃサーフェイサーを吹いたらどうなのか
しっかりプライマーの入ったサーフェイサーを使ってみます。

サフが乾燥したら次は黒色無双をエアブラシで吹きます。

サーフェイサーを吹いておけば色剥げは大丈夫でしょう。


…そんな事はありませんでした。
サフで下地作ってもこれですよ。ほんと塗膜弱いんですね…。

 

3-2-2.アクリジョンと混ぜた場合

それじゃ塗膜の強いアクリジョンと混ぜてみてはどうかと!
アクリジョンクリアーとつや消しクリアーを試しに
黒色無双と混ぜてから塗ってみましょう。
混ぜる割合は大体半々か少しアクリジョン多めにしています。

実際に塗ってみると、普通に塗ったものよりも若干白っぽいです。

普通に他の塗料の黒を塗ったかのような質感になりました。
光沢クリアーもつや消しクリアーも同じです。

爪でひっかいてみると…

剥げません!塗膜が強くなりました!

それでもひっかいた跡は少しテカリが出ちゃいますね。
ちょっとアクリジョン混ぜるのは惜しかったですね。
これは上手くいったか?!と思ったんだけど。

 

3-3.上からトップコート

これも塗装剥げ対策の実験になるかもしれませんが、水性トップコート!
これを吹いたら強い塗膜になるかな?と、
早速このつや消しを吹いて乾燥させると…

全体的に白っぽくなってしまいました(懐中電灯を当てています)。


水性つや消しトップコート上掛けはダメですね。

 

では同じ水性のプレミアムトップコートはどうかと思い
吹いてみました。


うーんこれも白っぽくなってダメですね。

 

ラッカー系のMr.スーパークリアーつや消しはどうなる?
これも吹いてみると…

左がMr.スーパークリアー、右が素の状態です。
素で吹いた右のと比較してみると
左の方がちょっと黒さが足りてませんよね?

トップコート系は元の黒さがなくなってダメなんですね。残念。

 

3-4.スミ入れ

実は黒色無双、半乾きや薄塗りの部分なら水で拭き取れる事が判明しました。

この特性を活かして、塗料がはみ出した部分を
水を含ませた綿棒で拭き取る事ができます。

また、モールド部分に薄く黒色無双を塗っておいて
同様に水を含ませた綿棒で拭き取ってやると
この通り、スミ入れが出来ます。水で拭き取れるってのは面白いですね。

 

イラスト風の影にも使えないかなと、試しに影を塗ってエッジに線を描いてみました。
影を真っ黒に出来るのでイラスト風塗装にも可能性がありそうな塗料ですね。

 

3-5.上からシルバー

よくメタリックの下地は黒にするといいといいますが
黒色無双だとどうなるか実験してみます。

左のパーツから
・下地になにも塗らない素の状態、
・ガイアノーツのExブラック
・黒色無双
この上から、同じくガイアノーツのExシルバーを吹いてみます。

で吹いてみました。

左から
・素の上からシルバー
・Exブラックの上からシルバー、
・最後に黒色無双の上からシルバー。

ぶっちゃけ違いがあんまりわからない…
黒色無双の上に塗料はかけるものじゃないんですね。

 

3-6.水以外で薄めて定着するか

水で薄めて定着しないなら、溶剤で薄めたら変わったりしないかと。


ジェットオイラーに入ってますが、使う溶剤は左から
・水性ホビーカラー薄め液
・アクリジョンエアブラシ用うすめ液
・ガイアのモデレイト溶剤

それでは順にこれらで薄めて塗っていきましょう。

 

水性ホビーカラー薄め液

 

アクリジョンエアブラシ用うすめ液

 

ガイアのモデレイト溶剤

全滅です。予想はできたけど残念。
素で使うのと変わりませんね…。

あと、モデレイト溶剤はラッカー系ですがこれで薄めると
乾燥が若干早まった気がします。

 

3-7.洗浄

黒色無双を使った後の用具の洗浄なんですが
乾いた黒色無双はマジックリンを付け置きしてやれば溶けるので
拭き取れるようになります。

ラッカー溶剤やアルコール系の水性アクリル溶剤でも落とせます。
色々方法はありますね。

 

3-8.ミッチャクロンの上に塗装

コメントでミッチャクロン(多用途プライマー)を使ったらどうか?
とご意見を頂いたので、追加で検証を行いました。

パーツの左部分が素で塗った場合、
右部分がミッチャクロンをあらかじめ塗布しておいた場合で
それぞれ黒色無双を上塗りすると…

ミッチャクロンを塗っておいた方ははがれにくくなりました!
黒色無双自体には手を加えていないので、黒さもそのままです。

…しかし、爪でひっかくとアクリジョンの時と同様
テカリが出てしまいますね。
クレヨンで塗った時の質感みたいな感じになります。

ガイアマルチプライマーもミッチャクロンのOEMなので同様の結果が得られます。

検証は以上になります。

 

4.おわりに

脳が混乱するくらい真っ黒な塗料ですが、使いにくさを改善できないか
いろいろ試した結果、一番良かったのは
ミッチャクロンを下地にすればはがれにくくなる、という結果でした。

しかしひっかくと光沢が出てしまうので、そこは気をつけないといけません。
でも可能性を感じる塗料ですね。

 

ただ、ここからが重要な話なのですが
twitterなどで実車に塗りたいって意見を結構見かけるんですが、
僕は絶対にやめた方がいいと思います。

それはなぜかと言うと、もし塗った車を炎天下の中に晒したら
直射日光の熱をどんどん吸収して温度が上がって最悪炎上しかねないからです。
塗った所を虫眼鏡みたいなレンズ通して日光当てたら発火すると思いますよ。

BMWがベンタブラック(世界一黒い塗料)で世界一黒い車を作った…
などプロモーション映像で紹介されているようで
マネしたいという方もいらっしゃるようですが
事故に繋がりかねないので安易にやるべきではありません。

塗った物の置き場所も、直射日光の当たらない所に置いた方がいいと思います。
プラに塗ってると、太陽光の熱を吸収して
加熱されて溶けて変形してしまう事も考えられます。

 

結構危険さも兼ねた塗料だという事に気づいたので、
持ってる方使う方はぜひ気をつけて頂ければと思います。

 

今回の内容の動画版もあります(内容はほぼ同じです)。

 

それでは!

 

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